椿姫、G. ヴェルディ
ジュゼッペ・ヴェルディの「椿姫」が持つ魔法のような魅力と人気に匹敵するようなオペラは、ほとんどないといってもいいでしょう。機転がきき、誰からも好かれるタイプの美しい高級娼婦ヴィオレッタ・ヴァレリーと、世間知らずのブルジョアの青年アルフレード・ジェルモンの愛の物語は、スキャンダラスであると同時に人々を魅了しました。また、後世の作品では、舞台を現代に置き換えるという慣習がありますが、この作品で人々は同じ時代の雰囲気を味わいました。この「椿姫」が、史跡アレーナ・ディ・ヴェローナで公演されます。千年の歴史を持つ舞台とこのクラシックオペラは互いに引き立て合い、時代を超えた価値を生み出します。しかも、それだけではなく、この「椿姫」公演のチケットには、美しいヴェローナの街並みを巡る25分のミニ観光列車ツアーと8ヶ国語のオーディオガイドがセットになっています。愛の都と悲恋のオペラを2本立てでお楽しみください。
今では信じられない話ですが、1853年3月6日、ヴェネツィアのフェニーチェ大劇場で初演された「椿姫」は、大失敗でした。配役のまずさ、特に主役のヴィオレッタに、観客はブーイングと不満の声を上げました。しかし、ヴェルディは自分の作品に自信を失わず、次の公演にはより一層クリエイティブに、また細心の注意を払ってキャスティングを行いました。その結果、1854年5月6日にヴェネツィアのサン・ベネデット劇場で公演された「椿姫」は、この作品にふさわしい大成功を収めました。実力もあり、練習も積んだ歌手により、ヴェルディの素晴らしいメロディーが、観客の心に届いたのです。最初のシーンの「Brindisi 乾杯の歌」、ヴィオレッタの大胆な「Sempre libera 花から花へ」のほか、このオペラの人気を不動のものにした多くの曲をお送りします。
オペラ「椿姫」は、1852年にアレクサンドル・デュマが書いた戯曲「La Dame aux camélias(「椿の花の貴婦人」の意)」をもとにしています。デュマは、1848年に発表した同名の小説からこの戯曲を書きました。パリの上流階級の中心人物である若い高級娼婦、マリー・デュプレシの悲劇的な生涯を描いたこの戯曲は、各国でセンセーションを巻き起こしました。ヴェルディのオペラのためにはフランチェスコ・マリア・ピアーヴェが台本を書きました。ヴィオレッタ・ヴァレリーは、フランスの有力者たちを手玉にとり、浮名を流して恵まれた生活を送っていますが、恋愛にはシニカルな感情を抱いています。そんな彼女の前に現れた若きアルフレード・ジェルモンが、真実の愛がほかにあることを教えてくれます。彼の献身的な愛は、ヴィオレッタの人生への幻滅と上流社会の蔑視を克服できるのでしょうか。
アレーナ・ディ・ヴェローナで公演される「椿姫」のチケットには、多言語オーディオガイド付きのミニ列車で、街の名所を巡るという特典もついています。「Trenino (ミニ列車)」は、古代ローマ時代のアリーナがあるブラ広場から出発し、ローマ時代のボルサーリ門やガビ門、11世紀のヴェローナ大聖堂、中世のエルベ広場など、ヴェローナの史跡を25分間で回ります。アディジェ川にかかる橋を渡ると、ルルドの聖母マリア教会とサン・ピエトロ城の壮大な景観が広がります。ミニ列車は公演当日、またはその前日・翌日にご乗車いただけます。30分間隔で運行されるこのミニ列車ツアーで旧市街を巡り、アレーナでの「椿姫」公演と共にヴェローナをあらゆる角度からお楽しみください。