ピアノ協奏曲第2番/交響曲第3番、J. ブラームス
ヴェローナの美しいフィラルモニコ劇場で、ドイツの作曲家ヨハネス・ブラームスの2つの作品が演奏されます。1曲目はピアノ協奏曲第2番変ロ長調作品83、2曲目は交響曲第3番ヘ長調作品90。フィラルモニコ劇場は、古都ヴェローナの中心、Via Roma に位置し、イタリア有数のオペラ・コンサート・ハウスとして知られています。
ピアノ協奏曲第2番は、大部分が1881年に作曲され、その年の11月にブダペストで初演されました。とはいえ、ブラームスはその数年前からこの曲に取り組んでいました。ちなみに、ブラームスがピアノ協奏曲第1番を完成させてから約20年後にようやく完成したのです。第1楽章は変ロ長調ソナタ形式ですが、第2楽章はまったく異なる感性を持ち、ニ短調のスケルツォになっています。続く第3楽章は再び変ロ長調で、初めはチェロで演奏される8小節の緩やかなメロディが印象的です。この旋律は、後にブラームスの歌曲「Immer leiser wird mein Schlummer」にも登場します。最終楽章は複雑で、印象的なクレッシェンドとエレガントなコーダで締めくくられます。
交響曲第3番は1883年の夏に書かれ、同年12月2日にウィーンで初演されました。しかし、ブラームスは交響曲が演奏された後も推敲を続け、1884年5月にようやく満足のいくヴァージョンを出版しました。第1楽章は特徴的な4分6拍子で、第2楽章は4分4拍子のソナタです。第3楽章は、当時、聴衆が期待していたような通常の急速なスケルツォではなく、よりゆったりとしたハ短調で、印象的な最終楽章の変形ソナタに向かってオーケストラの音楽が続きます。この部分はヘ短調で始まり、その後第1楽章と同じヘ長調に移ります。このヘ短調とヘ長調の音楽が進むにしたがって、緊張感が高まります。
フィラルモニコ劇場は、ブラームスの情熱的な音楽を楽しむのに理想的な環境です。きっと思い出に残る経験となることでしょう。