アイーダ、G. ヴェルディ
巨匠ジュゼッペ・ヴェルディの壮大な歴史オペラ「アイーダ」の公演に、アレーナ・ディ・ヴェローナほどふさわしい会場はないでしょう。雰囲気あふれるローマ建築の会場で、エジプト軍の司令官ラダメスと囚われの身のエチオピア王女アイーダの古代の愛の物語が、より重厚に、より魅力的に展開されます。ヴェルディは、エジプトのケディヴィアル・オペラハウスのこけら落としという記念すべき日のために、「アイーダ」を書きました。パリ包囲戦の影響で当初の初演は延期を余儀なくされましたが、1871年12月24日、カイロの総督の素晴らしいオペラ会場で行われた初演は大喝采を浴び、それ以来、「アイーダ」はオペラの定番演目となりました。今シーズン、アレーナ・ディ・ヴェローナでは、古代帝政時代を深く味わうこのヴェルディの傑作とともに、「愛の町」をミニ列車で巡る特別観光ツアーをお楽しみいただけます。どうぞこのダブル・パッケージをお見逃しなく。
「アイーダ」のストーリーは、脚本家アントニオ・ギスランツォーニが、脚本家テミストクル・ソレラの歴史物語からインスピレーションを得て書きました。古王国時代を舞台に、政治と愛をテーマにしています。エジプト軍の指揮官ラダメスは、エチオピアの王女アイーダを捕えますが、彼女に心を奪われ、自分の国か彼女か、どちらに忠誠を尽くすのかを選択しなければなりません。一方、エジプト王女アムネリスはラダメスに恋していますが、彼は彼女の気持ちに応えることができません。三人の愛情のもつれが爆発し、ラダメスとアイーダは危険な道をたどることになりますが、純粋な心でそこに向かっていきます。
このような壮大なストーリーの「アイーダ」のために、ヴェルディが最高傑作を書いたのは当然といえるでしょう。主人公たちのアリアでは、例外なく、音楽がみごとに人物を浮かび上がらせ、メロディがいかに物語を伝え、感情を表現できるかを鮮やかに示しています。また、もうひとつヴェルディらしさが光るコーラスも、ソロのナンバーと同様に象徴的で印象的なものです。料金には、旧市街をミニ列車で横断するツアーも含まれており、いくつかの注目すべき観光スポットをお楽しみいただけます。今シーズン、荘厳なアレーナ・ディ・ヴェローナで上演される「アイーダ」のチケットをご予約いただき、他にも多くの歴史と芸術をご堪能ください。
「trenino (ミニ列車)」はブラ広場のアレーナの横から出発し、中世のカステルベッキオ城、見事なローマ時代の門やアーチ、千年の歴史を持つヴェローナ大聖堂の間を抜けて進みます。アディジェ川を渡ると、ルルドの聖母マリア教会とサン・ピエトロ城を見ることができます。観光用のミニ列車は、アレーナ・ディ・ヴェローナで「アイーダ」を観劇するその日に乗ることもできますし、前日や翌日に乗ることも可能です。30分ごとに出発し、全行程は約25分です。