プレルジョカージュの夕べ

アンジュラン・プレルジョカージュは、その名を知らぬ人はないと言ってもいいほどよく知られたダンサーであり、振付師でもあります。クラシックバレエを熱心に研究し、20年以上にわたり、画期的で魂を揺さぶるようなコンテンポラリーなスタイルを作り上げてきました。モダンバレエの舞台上の動きに関して、丁寧に組み立てられた独自のアプローチで際立っています。ローマのオペラ座で行われる「Serata Preljocaj プレルジョカージュの夕べ」は、彼の特徴的な2つの作品を続けてお送りいたします。
プレルジョカージュは、モダンとクラシック、聖なるものと世俗的なものを融合させることを得意としており、代表作「受胎告知」でその才能を発揮しています。この作品は、1997年にNew York Dance and Performance Award、いわゆる「ベッシー賞」を受賞しています。キリスト教の最も有名な物語のひとつ、乙女マリアが神の子を産むという知らせを天使がマリアに伝えるストーリーを、神秘的かつ官能的に解釈したものです。ドグマに挑戦することも、教義をかたくなに信じる人を怒らせることもいとわず、天使の役に女性ダンサーを起用することで、2人の登場人物のドラマチックで官能的なやりとりに新たな扉を開きます。アントニオ・ヴィヴァルディの教会音楽「マニフィカト ト短調」と、ステファン・ロイの電子音楽「クリスタル・ミュージック」を対照的に使用するなど、音楽面でも伝統と現代性を融合させています。
次に続くのは、プレルジョカージュが最近制作したバレエ作品「Nuit Romaine ローマの夜」。伝説的とも言えるこのフランス人振付師の創造的なビジョンに、永遠の都ローマがどのように影響を与えたのかを、今シーズン、コスタンツィ劇場でじっくりご覧ください。大胆な振付のバックには、アントニオ・ヴィヴァルディ、ゲオルグ・フリードリヒ・ヘンデル、ジョアキーノ・ロッシーニ、リヒャルト・ワーグナー、フランツ・シューベルト、ヨハン・セバスチャン・バッハなどのクラシック、そしてハンガリーの現代音楽作曲家リゲティ・ジェルジュなど、錚々たる作曲家の音楽が使用されています。「Serata Preljocaj プレルジョカージュの夕べ」で、この振付師の中期から後期にかけてのモダンダンスの代表作をどうぞご堪能ください。