オペラ チケット イタリア




    連隊の娘、G.ドニゼッティ

    連隊の娘、G.ドニゼッティ

    ガエターノ・ドニゼッティはフランスで充実した活動期を送り、1840年2月11日にパリのオペラ=コミック座のSalle de la Bourseで初演された喜劇オペラ「連隊の娘」でひとつの頂点を迎えました。このイタリア人作曲家が、パリのオペラ界を完全に支配しているように見えることにフランスのマスコミは軽い怒りを覚えこの作品をあまり評価せず、またテノールの音程が外れたことで初演には危ぶまれる要素もありましたが、この作品はすぐに人気を博し、オペラ史に残るものとなりました。後にドニゼッティは、若干の修正を加えたイタリア語版を制作していますが、フランス語のオリジナル版の方が人気があり、今シーズン、ヴェネツィアのフェニーチェ劇場で公演されます。生き生きとした陽気な原曲をお楽しみください。

    原題は「La fille du régiment」 、即ち「連隊の娘」は、戦時中に孤児となったマリーが、フランス軍の第21連隊に引き取られ育てられるというストーリーです。ジュール=アンリ・ヴェルノワ・ド・サン=ジョルジュとジャン=フランソワ・バイヤールによる台本は、メロドラマとユーモアがふんだんに盛り込まれており、観客を最初から最後まで魅了し続けます。大人になったマリーは、ナポレオン戦争中、連隊の食堂係として働いています。そしてチロル出身のトニオと出会い、恋に落ちます。トニオはもともと連隊に囚われていましたが、後にマリーの父親代わりの連隊長シュルピス軍曹から恩赦を受けています。孤児と思われていたマリーは、ベルケンフィールド侯爵夫人と出会ったことで、人生が一変します。侯爵夫人に招かれたマリーは、自分の貴族としてのルーツを取り戻し、上流社会の一員としての生活を始めることになります。

    しかしこの作品に、ドラマチックな展開、ユーモラスな状況、印象的なメロディーがなければ、ドニゼッティの傑作とは言えなかったでしょう。マリーとトニオが新しい関係を築き、侯爵夫人が一族の秘密を明かさざるを得なくなると、素晴らしいアリアやデュエットが次々と登場します。テノールのハイライト「Ah!mes amis, quel jour de fête!」とそこで9回も現れるハイC(高いド)にもご注目ください。




    image Gran Teatro La Fenice / Fondazione Teatro La Fenice, Michele Crosera