オペラ チケット イタリア

フェニーチェ劇場


Platea B, € 456
Platea A, € 384
Palco laterale-parapetto, € 180



オテロ、G. ヴェルディ

オテロ、G. ヴェルディ

ウィリアム・シェイクスピアの古典的悲劇「オセロー」をオペラ化する機会が1879年に訪れたとき、ジュゼッペ・ヴェルディは8年間もオペラを書いておらず、引退していたのも同然でした。幸運なことに、シェイクスピアに対する愛情からヴェルディはすぐにインスピレーションを受け、新たなるオペラの傑作「オテロ」を生み出しました。

1871年に「アイーダ」が大成功を収めた後、ヴェルディの作品を出版していたジュリオ・リコルディが、シェイクスピアの悲劇「オセロー」のオペラ化を持ちかけました。詩人であり作曲家でもあったアッリーゴ・ボーイトがすでにこのプロジェクトに参加しており、脚本を提供しました。生涯シェイクスピアに憧れていたヴェルディは、最終的にこれを承諾しました。

しかし、オペラ「オテロ」の誕生までの道のりは、決して平坦なものではありませんでした。ヴェルディは自分が原作を正当に評価しているかどうかしばしば疑問に感じており、ボ-イトとリコルディはヴェルディに楽譜を完成させるよう励ましたり、なだめすかしたりし続けなければなりませんでした。1886年には音楽が完成し、1887年2月5日にミラノのスカラ座で初演されました。批評家や一般大衆からの反応は、賞賛に満ちたものでした。

「オテロ」で、ヴェルディはオペラの演劇性と感情性を余すところなく表現しています。舞台上の動きと絡まり合ったオーケストレーションは、ヴェルディの作品中、最も複雑なもののひとつであり、音楽と演劇の緊密な結びつきを具現しています。「オテロ」はヴェルディの創造性と演劇性の頂点を示す作品であると考える人も少なくありません。

タイトルともなっている主人公オテロは、ヴェルディが描いた役柄の中で最も獰猛で残酷な人間です。彼の優しい一面は、デズデーモナとの愛の二重唱で見ることができるだけで、それ以外の場面では、彼は動かない石のように頑固で、ドラマティック・テノールにとって能力もエネルギーも最大限に必要とされる役柄です。一方、デズデーモナは、ヴェルディの作品中、最もおとなしいヒロインの一人に数えられていますが、印象的なメロディーに彩られています。

イヤーゴは、ボーイトとヴェルディがオペラを「オテロ」ではなく「イヤーゴ」と名付けることを検討したほど、オペラの中での存在が重要であり、非公式な語り手とも言える役割を持っています。バリトンのイヤーゴは、ソロの出番はあまりありませんが、ドラマチックな演技が要求され、ストーリーを悲劇的な結末へと導く推進役です。シェイクスピアもきっとこのオペラ化を誇りに思ったことでしょう。




image Gran Teatro La Fenice / Fondazione Teatro La Fenice, Michele Crosera