四季、I Musici Veneziani

アントニオ・ヴィヴァルディの「四季」は、時が経って色あせるどころか、ますます愛され続けるユニークな作品のひとつです。このバイオリン協奏曲は、その誕生から約3世紀を経た今も、同じように創造の炎に輝いています。I Musici Venezianiは、ヴィヴァルディの類まれなる才能に敬意を表し、「四季」の特別演奏を行います。このコンサートは、ヴェネツィアのScuola Grande di San Teodoroで行われ、バロック様式の衣装を身にまとったアーティストが、皆様をヴェネツィア共和国の最盛期へといざないます。
アントニオ・ヴィヴァルディが「四季」作曲のアイデアを思いついたのは、イタリアの田園地帯に長期にわたって滞在していたときでした。4つの協奏曲は1723年、マントヴァ滞在中に完成し、1725年にアムステルダムで初めて出版されました。楽譜だけではなく、ソネット(14行詩)が添えられていたことが際立った特徴です。このソネットは、ヴィヴァルディ自身が書いたとされ、各楽章の背景やストーリーが表されています。当時、このような形の音楽制作は前例がなかったことからも、ヴィヴァルディのユニークなスタイルと創造的なアプローチがよく示されていると言えましょう。
さて、そのソネットのユニークさもさることながら、「四季」はクラシック作品として本当に素晴らしいものです。ヴィヴァルディの自然への心からの賛美が、I Musici Venezianiの演奏で新たな命を吹き込まれて蘇ります。この曲の中で、さまざまな鳥、川の流れ、波、羊飼いの犬の鳴き声、風、雷など自然の音が聞こえることでしょう。これらの自然の音は、ヴィヴァルディが作り出した楽器のメロディーや斬新な音響効果の中に、ほぼ完璧な形で反映されていると言えます。ヴィヴァルディは、自然への愛情と賞賛を音楽に注ぎ込み、それをバロック時代に時空を超えた形にしました。ヴェネツィアのScuola Grande di San Teodoroでのコンサートは、このような素晴らしい作品が独自の次元で存在していることを改めて感じさせてくれます。どうぞお楽しみください。