椿姫、G.ヴェルディ
19世紀のパリでの華やかなパーティーで、ヴィオレッタ・ヴァレリーは幸せに、楽しみに、愛にグラスをかかげ、乾杯します。パリの上流社会の噂の的、魅力的で興味をそそる高級娼婦ヴィオレッタは、若い貴族アルフレード・ジェルモンの無垢な深い感情が、彼女の冷笑的な心を溶かす幸せに何の疑いも持っていません。この二人のラブストーリーが、巨匠ジュゼッペ・ヴェルディの大成功作の一つ「椿姫」の中心にあります。ローマのI Virtuosi dell’opera di Romaが、公演の日によって、サン・パオロ・デントロ・レ・ムーラ教会あるいはサローネ・マルゲリータ劇場において、この伝説的とも言えるオペラを公演します。会場の独特な雰囲気とアンサンブルの素晴らしい演奏により、このヴェルディの作品のリバイバルは、永遠の都ローマにいらっしゃるクラシック音楽ファンにとって、必見のイベントになっています。
今では最も有名なオペラの一つとされる「椿姫」ですが、幸先のいいスタートを切ったわけではありませんでした。 初演は1853年3月6日、ヴェネツィアのフェニーチェ劇場で行われましたが、成功とは言えませんでした。オペラの主人公が高級娼婦であったこと、ヴィオレッタ役が官能的な中年ソプラノであったことで、批評家も観客もこのオペラにいい印象を持ちませんでした。しかし、作品を信じていたヴェルディはその後も公演を重ね、最終的には最高傑作として認められるようになりました。ヴェルディの作曲の才能は、間違いなくオペラの成功に大きな役割を果たしました。音楽によるナレーションのスタイルには忠実でいながら、オーケストラがほとんど主要キャラクターの役割を務めており、オーケストラ演奏によるパッセージが緊張感を高め、ストーリーを展開させます。有名な「乾杯の歌 Libiamo ne’lieti calici」、ヴィオレッタの優しい「ある日、幸運にも Un di felice, eterea」、印象的な「花から花へ Sempre libera」、アルフレードの強烈な「ああ、心が痛む!恥ずかしい! O mio rimorso!」などのボーカルのハイライトもお楽しみください。
脚本家のフランチェスコ・マリア・ピアーヴェは、オペラステージでのヴィオレッタとアルフレードの恋物語を、マリー・デュプレシの生涯を描いたアレクサンドル・デュマ・フィスの戯曲「La dame aux camelias」をもとに書きました。今シーズン、I Virtuosi dell’opera di Romaが、ヴェルディのクラシックオペラを見事な演奏でお届けします。