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    トスカ、G.プッチーニ

    トスカ、G.プッチーニ

    毎年恒例のフェスティバルの一環として、カラカラ浴場で、ローマ・オペラ座により、ジャコモ・プッチーニの有名なオペラ「トスカ」が上演されます。イタリア語でTerme di Caracalla(テルメ・ディ・カラカラ)と呼ばれるこの古代ローマ時代の浴場は、長年にわたって多くの美しい音楽公演の舞台となってきました。夏の間、野外ステージと客席が設けられ、円形劇場のような雰囲気が楽しめます。このドラマチックな舞台で上演される「トスカ」のような情熱的な作品は、オペラにはあまりなじみがない人も含め、すべての音楽ファンにとって素晴らしいチャンスになるに違いありません。

    「トスカ」は1900年1月14日、カラカラ浴場から遠くないローマのコスタンツィ劇場で初演されました。プッチーニは、フランスの劇作家ヴィクトリアン・サルドゥの戯曲「ラ・トスカ」をもとにして新しいこの作品を書きました。実は、1889年にイタリアで上演されたこの戯曲の巡回公演を観て以来、プッチーニはこの作品に興味を持っていました。ところが、サルドゥがプッチーニに怒り、オペラ化の権利はライバルに売却され、プッチーニはこのプロジェクトから手を引かなくてはなりませんでした。プッチーニが作品を書き、上演する権利を得たのは、それから数年後の1895年のことでした。

    ナポレオン戦争下のイタリアを舞台にした「トスカ」は、政治的にもドキドキさせる作品です。舞台上のアクションは、24時間という限られた時間の中での凝縮されたドラマを繰り広げます。権力を乱用する腐敗した警察署長スカルピア男爵は、タイトルになっているフローリア・トスカに横恋慕。彼女の恋人である画家カヴァラドッシの命と引き換えに彼女を自分のものにしようとします。カヴァラドッシが政治犯を援助していたことが発覚し、スカルピアはこれを利用してトスカを操り、彼女を大変な立場に追い込みます。観る者を舞台に釘付けにしないではおかないスリル、情熱的なストーリーを、この特別な舞台でどうぞお楽しみください。

    カラカラ浴場は、永遠の都ローマの古代遺跡に惹かれる観光客がよく訪れるスポットです。この「トスカ」のように、オペラの上演に使われると、遺跡は生き生きとよみがえります。スリリングな音楽とドラマのエンターテインメント、このような一流の会場での公演を見逃す手はありません。




    image Terme di Caracalla / Photo by C.M. Falsini