修道女アンジェリカ/囚われ人

ローマのコスタンツィ劇場で、オペラ2作品、ジャコモ・プッチーニの「修道女アンジェリカ」とルイージ・ダッラピッコラの「囚われ人」が、同時に上演されます。定評あるローマ歌劇場管弦楽団と合唱団による演奏で、1幕ものの両作品のカットなしの公演です。1つめは、修道女を題材にしたプッチーニの代表作オペラ「修道女アンジェリカ」、そして、イタリア語の原題を「Il Prigioniero」という「囚われ人」が続きます。
プッチーニは、映画監督であり劇作家でもあったジョヴァッキーノ・フォルツァーノの台本をもとに「修道女アンジェリカ」を作曲しました。フォルツァーノは「ジャンニ・スキッキ」の脚本も手がけています。「修道女アンジェリカ」は、17世紀を舞台にしたフィレンツェの貴族の女性の物語。婚外子を出産したため、一族は彼女を尼僧院に送ります。長い年月の間、彼女は息子がどうしているかと悩んでいますが、やがて息子に関する悲しい知らせを受けます。プッチーニの音楽は、主人公の緊張感と喪失感を引き出し、彼女がこのニュースと折り合いをつけようと奮闘する姿を描いています。「修道女アンジェリカ」は、「ジャンニ・スキッキ」「外套」とともにプッチーニの三部作を成す作品で、1918年12月14日、アメリカ、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で初演されました。
「囚われ人」は、もともとイタリアの作曲家ルイージ・ダッラピッコラがラジオのオペラとして作曲し、1949年12月1日にRAIラジオ局で初演されました。劇場での正式な初演は1950年5月20日で、フィレンツェのコムナーレ劇場で行われました。フランスのオーギュスト・ド・ヴィリエ・ド・ライル=アダム作の「希望による拷問」と、ベルギーの作家シャルル・ド・コステ作の「オイレンシュピーゲルとラム・ゲザクの伝説」をもとに、第二次世界大戦中にダッラピッコラが構想を得て、書き始めました。オペラは、宗教異端審問後のスペインを舞台にしています。ストーリーは、ヴィリエの小説では以前ラビであったプロテスタントの名もなきオランダ人囚人を中心に展開します。この囚人は、拷問に抵抗し、自由を語る看守から希望を与えられていました。やがて彼は独房の扉が開いているのを見つけます。彼は、本当に念願の自由を手に入れることができるのでしょうか?
ローマ歌劇場で、感情性豊かな悲劇が見事に舞台化されたドラマチックオペラ2作品を、どうぞお楽しみください。