三大カウンターテナー

ローマ歌劇場には、3人のテノール歌手によるコンサートの伝統がありますが、今回はコンサート「三大カウンターテナー」で、音域と公演のグレードをさらにアップします。カルロ・ヴィストーリ、ラファエレ・ペ、アーリエ・ヌスバウム・コーエンの3人が、クラシックの男声の限界までパワフルな声を響かせ、ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル、アントニオ・ヴィヴァルディ、ニコラ・ポルポラ、クリストフ・ヴィリバルト・グルックの作品を通して、その実力を披露します。この4人の作曲家たちはいずれも後期バロックと初期古典主義の全盛期を象徴する存在で、その時代、男性声楽を限界まで高める伝統が作られました。3人の歌手は、音楽のアクロバティックのようなパフォーマンスで、魅惑的なメロディーの中に、テノールの可能性について斬新な見解を示していきます。エキサイティングなローマのコスタンツィ劇場の公演をお楽しみください。
このコンサートでは、3人のカウンターテナーの素晴らしい経歴と実力の全てを味わっていただけます。カルロ・ヴィストーリは、もともとバロック音楽を専門としていました。故郷のイタリアのルーゴでギターとピアノを中心とした音楽の手ほどき受けた後、カウンターテナーとしての才能を開花させます。多くのバロック歌唱コンクールでファイナリストに残ったり、数々の審査員賞や奨励賞を受賞したりしており、現在、イタリアの若手カウンターテナーの中で最も活躍している注目の歌手だと言えます。オペラのレパートリーとしては、ヴィヴァルディ、パーセル、モンテヴェルディ、カヴァッリなどの古典的作品を得意としています。ラファエレ・ペの名声もまた、特筆に値します。タイムズ紙で「バロックの星」と称され、複雑な声楽曲を難なくこなし、批評家や聴衆の注目を集めています。バロックとルネッサンスの有名な作曲家たちの作品の演奏では他の追随を許さず、リサイタルやレコーディングではこの時代の隠れた傑作をしばしば取り上げています。
アーリエ・ヌスバウム・コーエンはアメリカのカウンターテナーで、イタリアの二人と同様に、バロック音楽界の新星とされています。多くの賞を受賞し、ヘンデルのオペラの主役を務めるなど、その実力に磨きをかけています。コスタンツィ劇場の舞台でも、その力を十分に発揮することでしょう。このように、今回のコンサート「三大カウンターテナー」では、ユニークな経験と感性を持つ3人の豪華な若手演奏家が集結します。バロック音楽の祭典をどうぞお楽しみください。