マンフレッド 作品115 、R.シューマン

ロベルト・シューマンは、1840年代半ばに「マンフレッド」作品115の作曲に取りかかりました。この曲は、オーケストラ、合唱、声楽ソロで構成され、既成のジャンルの何にも分類されない独特の作品です。当時幻聴に悩まされていたシューマンは、旋律とハーモニーを織り交ぜ、別世界のような雰囲気を醸し出し、今日まで高く評価されています。初演は1852年3月14日に、ライプツィヒのゲヴァントハウスでの演奏会の一部として行われました。今回、ローマ歌劇場で、オーケストラ、合唱団、ソリストがシューマンの「マンフレッド」を現代の作品として演奏します。この隠れた珠玉の作品の偉大さを十分に味わってください。
この「マンフレッド」の原作は、バイロン卿の同名の劇詩です。1817年に完成したこの作品は、過去に愛する人を死なせてしまった不幸に苦しめられている主人公を中心に描かれています。マンフレッドは、7人の精霊を呼び、つらい出来事を忘れる手助けをしてくれるよう頼むというファウストのような取引を試みます。どの霊にも助けてもらえなかった主人公は、贖罪よりも死を選んで強い個人主義者の立場をとり、自分の魂を地獄にも天国にも委ねることをしませんでした。自然や人を超越したストーリーを展開するこの詩は、多くの作曲家や哲学者たちにインスピレーションを与えました。シューマンのこの作品には、リヒャルト・フォールが、英語の原作に忠実にドイツ語のリブレットを書きました。
原題は「Manfred: Dramatic Poem with Music in Three Parts (マンフレッド:音楽のある三部構成の劇詩の意)」で、作品は、この曲の中で最もよく知られた序曲で始まります。その後、合唱と独唱によるアントラクト、メロドラマパートが続きます。作品は全体として、主人公の住む窮屈な世界を幻想的に描いています。シューマンの奇抜で刺激的な音楽は、個人の内面的なドラマと、不思議な出来事が表す超自然的なテーマの両方を捉えています。シューマンの音楽的想像力とバイロン卿の鋭い筆致によるゴシックホラーの名作が、ローマのコスタンツィ劇場で蘇ります。