Le notti romane di Dior
ローマのカラカラ浴場で、ジャコモ・プッチーニの最も愛されているオペラ「トゥーランドット」の公演が行われます。会場の豪華さとも相まって、中国を舞台にしたファンタジーのオペラは、魔法のようなイベントとなることでしょう。「トゥーランドット」は、1926年4月25日にミラノ・スカラ座で初演されました。プッチーニは作品が未完のままこの世を去り、プッチーニの死後、イタリアの作曲家でピアニストのフランコ・アルファーノが完成させました。初演の日、指揮者のトスカニーニは、プッチーニが筆を絶った箇所でオペラを止めました。翌日からの上演は、アルファーノのエンディングで上演されました。この作品が、今シーズン、ローマの中心部、町で2番目に大きな公衆浴場(テルマエ)を最大限に活用し、ローマ歌劇場によって上演されます。
ストーリーは、彼女に求愛しようとする王子たちに3つの謎を投げかけるトゥーランドット姫を中心に展開します。姫は、謎が解けなかった者を全員死刑にしてしまうと言います。ある日、見知らぬ王子が謎かけに勝ち、その王子と結婚することになったとき、王女の心は恐怖に包まれます。姫の名誉を重んじる王子は、彼女に逃げ道を与えます。自分の名前を正しく当てることができれば、結婚をしなくてもいいという可能性をトゥーランドットに示したのです。ここで、彼の名前を密かにに知っているリューという奴隷の少女が登場します。リューとトゥーランドットのうち、どちらかの思いがかなうのか、この続きは公演でご覧ください。
「トゥーランドット」は、全曲がプッチーニの手になるものではありませんが、彼の代表作のひとつであることは間違いありません。夜の北京の宮殿の庭園で始まる第3幕では、王子の名前がまだ判明していないうちは、誰も眠ってはいけないと家来が告げます。夜明けを待つ王子は、翌日の最終的な勝利を待ちながら、「Nessun dorma 誰も寝てはならぬ」を歌います。このアリアは、プッチーニの、そしておそらくオペラのすべてを代表する曲のひとつとなっています。
カラカラ浴場は、ローマの重要な歴史的観光スポット。セプティミウス・セウェルスとカラカラという2人の皇帝の治世下に建設され、その歴史は3世紀にまで遡ります。イタリア語で 「Terme di Caracalla(テルメ・ディ・カラカラ)」 と呼ばれるこの古代浴場は、素晴らしい野外オペラの会場となります。イタリアらしい雰囲気の中で、情熱とエンターテインメントに満ちた特別なひとときを過ごしたい方々に、なら、この「トゥーランドット」の公演は最適です。