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    ダンス・グラン・ガラ

    ダンス・グラン・ガラ

    ローマの史跡カラカラ浴場の舞台で、クラシック・バレエの代表作や隠れた名場面の数々が披露される「ダンス・グラン・ガラ」。ローマオペラ座のオーケストラ、エトワール、プリンシパル、ソリスト、バレエ団が送る数世紀にわたるダンスナンバーは、ダンサーの実力、作曲家のメロディとリズムの鋭い感覚によって音楽と動きが融合された祭典とも言えましょう。

    公演は、作曲家レオン・ミンクスと名振付家マリウス・プティパのコラボレーションによって生まれた「パキータ」のグラン・パで幕を開けます。1846年にエドゥアール・デルデヴェスが作曲し、ジョゼフ・マジリエが振付したバレエ作品をもとに、2人は、1881年にサンクトペテルブルクのボリショイ劇場で上演するため、リメイクを行いました。それ以来、第2幕に新たに追加されたグラン・パは、「パキータ」の代表場面となっています。

    次は、1905年、振付家ミハイル・フォーキンがプリマ・バレリーナのアンナ・パヴロワのために作った4分間の作品で、カミーユ・サン=サーンスの音楽にのせた「瀕死の白鳥」です。この振付は、死にゆく白鳥を、自然そのものの静けさと美しさに導かれた繊細で印象的な動きで表しています。続いては、アドルフ・アダンの音楽をもとに、1856年にジョゼフ・マジリエが振付を行ったバレエ「海賊」のパ・ド・ドゥ。後に複数の作曲家により改編が重ねられたこのバレエは、非常に煽情的で、前の「瀕死の白鳥」とははっきりとしたコントラストを見せています。音楽を担当したのはリッカルド・ドリゴで、バレエの中で最も頻繁に公演されている曲のひとつです。

    そして、もうひとつのパ・ド・ドゥが、「失われた時を求めて」から、ガブリエル・フォーレの音楽にのせて送られます。このバレエは1974年にローラン・プティが振り付けたもので、多くの場面で有名な作曲家の音楽が使われており、フォーレのパ・ド・ドゥは、そのハイライトと言えるでしょう。舞台の上のダンスは、さらに古典の世界に入っていき、チャイコフスキーの大作「白鳥の湖」から、黒鳥オディールの魅惑的な踊りをお届けします。マリウス・プティパのもともとの振付と、感情を揺さぶる激しい音楽の組み合わせは、息を呑むほどの美しさです。イベントの最後を飾るのは、モーリス・ラヴェルの「ボレロ」。振付はクシシュトフ・パストールで、バックダンサーを従えた2人のソリストが、徐々に高まる緊張感と抗いがたいクレッシェンドで催眠術的とも言える音楽を踊ります。カラカラ浴場の「ダンス・グラン・ガラ」は、初めから最後まで、皆様の心を躍らせることでしょう。




    image Terme di Caracalla / Photo by C.M. Falsini