プッチーニ・オペラ・リサイタル
ジャコモ・プッチーニはオペラの巨匠のひとり。彼の死後1世紀近く経っても、「蝶々夫人」、「トゥーランドット」、「トスカ」、「ラ・ボエーム」といった彼の傑作は、世界中で演奏され続けています。彼は壮大で贅沢なオーケストラ編成のドラマを作曲しましたが、メロディーの持つ感情的な深さという点で、他のどんな作曲家をもしのぐ才能を持っていました。プッチーニのオペラを聞いた人々は、皆、もっと聞きたいという気持ちになるものです。
プッチーニの生誕地ルッカでは、年間を通して、プッチーニのオペラ音楽をコンサートで楽しめます。このプッチーニ国際常設フェスティバルでは、イタリア・オペラの巨匠をテーマにした7つの異なるイベントが開催されます。 「プッチーニ&ナポリ民謡」、「イタリア・オペラの夕べ」、「プッチーニ&モーツァルト」など、プッチーニと他の作曲家の音楽を組み合わせたものも、またこの「プッチーニ・オペラ・リサイタル」のようにルッカがこの世に送り出したプッチーニだけのアリア、デュエット、インテルメッツォをお送りするものもあります。
劇場でしかプッチーニを聴いたことのない人には、ルッカ・プッチーニ・フェスティバルの「プッチーニ・オペラ・リサイタル」は、新しい経験。ソプラノとテノールが、グランドピアノの伴奏でお送りしますが、この形もまた、プッチーニの才能を余すところなく伝え、たまらない魅力があります。反抗的な「Nessun dorma 誰も寝てはならない」、悲しい「E lucevan le stele 星はきらめき」、そして孤独の中に希望をつなぐ「Un beldì, vedremo ある晴れた日」などはすでによく知られています。また、「妖精ヴィッリ」よりアンナとロベルトの甘くもほろ苦いやりとり「Tu dell'infanzia mia 幸せの時を今一度」、マノン・レスコーとデ・グリューのラストの絶望的な抱擁の音楽「Fra le tue braccia, amore あなたの腕に、愛しい方」、「つばめ」よりマグダの生意気な反論「Chi il bel sogno di Doretta だれがドレッタの美しい夢を」など、プッチーニのあまり知られていないオペラにでさえ、彼の才能が光っています。さらに、プッチーニのインテルメッツォは、単なる間奏曲以上のもので、それらが登場するオペラの雰囲気全体を驚くほど見事に伝えてくれます。
「郷に入っては郷に従え」の格言通り、ルッカにいらっしゃるのなら、ぜひこのプッチーニの歌と音楽を存分にお楽しみください。