トスカ、G.プッチーニ
情熱、陰謀、欲望、殺人、政治が渦巻く「トスカ」は、しばしば20世紀で最もスリリングなオペラのひとつと考えられています。ジャコモ・プッチーニの音楽、ルイジ・イッリカとジュゼッペ・ジャコーザによるイタリア語台本で、1900年1月14日にローマで初演されて以来、世界中で数え切れないほど上演されています。音楽は、非常に印象的なアリアと合唱、そして登場人物やテーマに合わせたライトモチーフで際立っています。ストーリーは、もともとヴィクトリアン・サルドゥがサラ・ベルナールのために書いた「ラ・トスカ」というフランスの舞台劇に基づいています。プッチーニは、1889年に主役のベルナールを見て、オペラ化の権利を買ったと言われています。
ナポレオン戦争を舞台にしたこの作品の冒頭シーンは、逃亡中の政治犯が逃げ込んだローマの教会。トスカの恋人カヴァラドッシは密かに逃亡者を助けますが、トスカは、彼が別の女性と付き合っているのではないかという疑念を抱きます。警察署長、スカルピア男爵の巧みな介入で、トスカは元囚人の隠れ場所と恋人のしたことを暴いてしまいます。その結果、カヴァラドッシに死刑が宣告され、さらなるドラマが展開していきます。
初演時のマスコミの反応はあまりよくありませんでしたが、初演を行ったコスタンツィ劇場では完売が続出する大ヒットとなりました。その後、1900年にミラノ・スカラ座でも上演されましたが、興行的にさらに成功を収め、批評家たちの評判も非常によいものでした。まもなくロンドンで、そして翌年にはニューヨークのメトロポリタン歌劇場でも上演されました。
今シーズン、この「トスカ」が、1991年オープンの近代的な大ホール、Maggio Musicale Fiorentino劇場で応援されます。この快適な会場は、トスカの感情性豊かなオーケストレーションを楽しむのに理想的。この作品中のアリアの多くは、独立した作品としてもよく知られています。トスカが歌う「Vissi d'arte 歌に生き」は、最も印象的なもののひとつです。また、カヴァラドッシが歌う「E lucevan le stelle 星はきらめき」と「O dolci mani 優しく清らかな手」は、音楽を通して舞台上の主人公の性格を引き出すプッチーニの才能を浮き彫りにしています。
「トスカ」の力強く感動的なストーリー、フィレンツェのMaggio Musicale Fiorentino劇場での考え抜かれた演出、これほど迫力のある公演はほとんどないと言えましょう。音楽的感動を心ゆくまで味わってください。