四季
ヴァイオリン協奏曲と言えば、アントニオ・ヴィヴァルディの名曲「四季」ほど有名なものはありません。フィレンツェの歴史地区中心部にある、サント・ステファノ広場のサント・ステファノ・アル・ポンテ・オーディトリアムでは、この「四季」の他、ヨハン・パッヘルベル、ヨハン・セバスチャン・バッハ、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトなどの巨匠たちのオーケストラ作品をお送りします。ヨーロッパでも有数の室内楽団、オーケストラ・ダ・カメラ・フィオレンティーナの才能あふれるアーティストの手により、これらのバロックおよび古典主義の作品が新しい息吹を持って蘇ります。
コンサートの1曲目は、ヨハン・パッヘルベルの「3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ」から、有名なカノン。このニ長調の優雅なメロディーは、数え切れないほど何度も演奏、録音され、パッヘルベルの代表作になりました。おもしろいことに、この作品は、パッヘルベルが書いた唯一のカノンでした。2曲目もクラシック音楽の代表作、ヨハン・セバスチャン・バッハの有名な「管弦楽組曲3番」のアリア。穏やかなメロディーのうねりが、オーケストラの完璧な演奏で皆様を魅了します。
次の曲は、バッハより数十年後に生きた偉大なヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトによる「小さな夜曲 (アイネ・クライネ・ナハトムジークを文字通り訳すと、あまり正確ではありませんが、こういう意味になります)」。このアンサンブル作品は、魂を揺さぶるようなオペラ「ドン・ジョヴァンニ」と同時期に書かれたもので、楽観的なエネルギーが皆様を快く掴みます。そして、最後は、イタリアのバロックの代表者、アントニオ・ヴィヴァルディの「四季」。イタリアの田舎に長く滞在した経験から、ヴィヴァルディはこれらの4つの協奏曲を作曲しました。楽器を巧みに使って自然の音を再現したこの作品には、ヴィヴァルディの稀有な音楽性と想像性が光ります。様々な鳥、賑やかな蜂、小川のせせらぎ、夏の嵐などがヴィヴァルディの手によって表されています。
アンサンブル・コンサート「四季」では、16世紀後半から17世紀にかけてのオーケストラ作品の代表作をお送りします。有名なイタリア人指揮者ジュゼッペ・ランゼッタによって設立されたオーケストラ・ダ・カメラ・フィオレンティーナ(フィレンツェ室内管弦楽団)の演奏は、これらの音楽の魅力を、宝石のようにいっそう輝かせます。フィレンツェの中心地区にあるヴェッキオ橋からそう遠くない、サント・ステファノ・アル・ポンテ・ヴェッキオ・オーディトリアムで、数々の国際舞台での経験を持つオーケストラの演奏をお楽しみください。