フィガロの結婚、 W.A.モーツァルト

イタリア語オペラの代表作の一つがオーストリア人によって書かれたと誰が考えたでしょうか?それもただのオーストリア人ではありません。1780年代、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトはオペラ・ブッファを是非書きたいと思っており、しかも創造的で政治的なものを手がけたいと思っていました。当時ウィーン宮廷では、イタリアのオペラが非常に人気がありました。若いモーツァルトは、宮廷の寵愛を受けたいと望んでおり、そのためにイタリア語オペラを作曲しようと決めたのでした。モーツァルトのこの目論見は功を奏しませんでしたが、「フィガロの結婚(原題はイタリア語でレ・ノッツェ・ディ・フィガロ)」は大衆から絶賛されました。今回、この作品がフィレンツェの聖マルコ聖公会教会で演奏され、皆様にモーツァルトの真の才能をお伝えします。
会場のエレガントで落ち着いた雰囲気の中、シンプルなアレンジの音楽が、このクラシック・オペラを身近に感じさせてくれます。ユニークなピアノ伴奏で、5人の歌手が、モーツァルトのはじけるようなメロディーをお送りいたします。 他にはあまり例を見ないセッティングで、モーツァルトの才能がさらに輝いて見えることでしょう。
この作品の台本は、イタリアの台本作家ロレンツォ・ダ・ポンテが、ピエール・オーギュスト・カロン・ドゥ・ボーマルシェによる政治的な戯曲「ル・マリアージュ・ドゥ・フィガロ」に基づいて書きました。陽気な誤解と入り組んだ人間関係、従僕フィガロとスザンナの結婚式の日まで騒ぎは続きます。好色なアルマヴィーヴァ伯爵が、二人が結婚式で誓いの「イエス」を言う前に、主人の特権を利用してスザンナを自分のものにしたいと考えているのです。時間や策略と争いながら、恋人たちは、正義と真実の愛が勝利をおさめるよう、機知と技を駆使します。
1786年5月1日にウィーンのブルク劇場で初演されて以来ずっと、「フィガロの結婚」はその陽気な音楽とユーモアあふれるセリフで観客を楽しませてきました。今回この作品がフィレンツェの聖マルコ教会において、新しい形式で演奏されます。ミニマリストのアレンジで、一味違ったモーツァルトの魅力をお楽しみください !