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    ファウスト博士、F.ブゾーニ

    ファウスト博士、F.ブゾーニ

    ファウスト博士と悪魔の取引という幻想的で恐ろしい神話に惹かれたフェルッチョ・ブゾーニは、これを壮大なスケールのオペラにすることに晩年を捧げました。1916年から亡くなる1924年まで、作曲家でありまたピアノの名手でもあったイタリア出身のブゾーニは、自分の大作と考えたこの作品に精力的に取り組みました。ブゾーニは、オーストリア、ドイツ、スイスで長く教育を受け、キャリアを積んでおり、ドイツ語の台本も自分で制作することができました。残念なことにブゾーニは作品の完成前に亡くなりましたが、ブゾーニの弟子であるフィリップ・ヤルナッハが、ブゾーニの下書をもとに作品を完成させました。初演は1925年5月21日、ドレスデンのザクセン州立劇場で行われました。それ以降、ヨーロッパ各地の歌劇場で取り上げられ、定期的に再演されています。イタリアでは、1942年にフィレンツェのMaggio Musicale Fiorentino劇場でで初演されました。今シーズン、再びフィレンツェの同じ劇場で公演されます。

    「ファウスト博士」は、3人の謎の訪問者から黒魔術の本を受け取った、大学学長である主人公ファウストの超自然的な逃亡劇を描いています。ファウストはこの本の力を借りてメフィストフェレスを呼び寄せ、とんでもない契約を結びます。現世で悪魔がファウストに仕える代わりに、来世ではファウストがメフィストフェレスに仕えるというものです。不滅の魂を犠牲にすることに一瞬おびえたものの、主人公はすぐに契約の恐ろしい影響を忘れ、快楽を求める旅にでかけます。そして、彼が関わったほとんどすべての人々の人生に不幸と死がふりかかります。しかし、ファウストが報いを受ける日は、彼が考えるよりずっと近いのです。

    ブゾーニは、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの叙事詩で有名な古典的神話「ファウスト」を、音楽的創造性を犠牲にすることなく、驚くほど忠実に扱っています。ブゾーニの洗練された音楽美学と無調の冒険的な使用により、「ファウスト博士」はオペラとして新鮮でモダンな響きをもっています。この作品のイタリアの故郷、フィレンツェのMaggio Musicale Fiorentino劇場でお楽しみください。




    image Teatro del Maggio Fiorentino / Michele Monasta