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    オルフェオとエウリディーチェ、C. W. グルック

    オルフェオとエウリディーチェ、C. W. グルック

    「オルフェオとエウリディーチェ」は、グルックの思想的・哲学的思索の結果生まれた作品で、イタリアの伝統的なオペラ・セリアに新しい風を吹き込みました。1762年10月5日にウィーンのブルク劇場で初演されて以来、2世紀半を経た現在でも、この作品はその直接的な音楽スタイルと、大袈裟な芝居を排した純粋なストーリーで注目されています。また、グルックは不必要に装飾的な音楽や、過度に複雑な声楽部を取り除き、オペラへの取り組みとしてまったく新しい手法の基礎を築いたのです。画期的とも言えるこのアプローチは、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトからリヒャルト・ワーグナーまで、オーストリアやドイツの作曲家による後の多くの作品に受け継がれています。オルフェウスの神話をもとに、グルックが音楽と演劇を手がけたこの作品が、ヴェネチア・フェニーチェ大劇場で公演されます。

    「オルフェオとエウリディーチェ」の脚本は、ラニエーリ・デ・カルツァビージによって書かれたもので、最後のシーン以外は、有名な神話のストーリーをもとにしています。神業のような優れた歌い手オルフェオは、婚約者エウリディーチェが突然死し、彼は失意のどん底にいます。そんな彼の心を癒し、希望を取り戻させるために、天からアモーレ(キューピッド)が降りてきて、愛する死者を生き返らせる方法があると告げます。オルフェオは黄泉の国まで降りて行ってエウリディーチェを連れ戻さなければならず、死の国から出るまでは彼女を見てはいけないというものです。オルフェオは、危険な旅に出発し、持てる力と、心から愛する人を蘇らせようとする意志の全てを振り絞って、あらゆる困難を乗り越えていきます。しかし、二人が黄泉の国から旅立とうとするとき、ある口論からオルフェオはエウリディーチェの方を振り返り、彼女は息絶えてしまいます。しかし、神話とは異なり、オペラはキューピッドの介入によってハッピーエンドを迎えます。

    グルックの革新的なアイデアと音楽的才能に支えられたオペラ「オルフェオとエウリディーチェ」は、時を経てもなお愛され続けています。今シーズン、フェニーチェ大劇場でどうぞお楽しみください。




    image Gran Teatro La Fenice / Fondazione Teatro La Fenice, Michele Crosera